死と超越

所見・偏見・エトセトラ

君島大空のライブに行った

僕はツイッター廃人なのでツイッターをよく見てるんだが、ある日こんなツイートが目に入った。

 

もう即決よ、即決。行くに決まってるわけよ。だって君島大空だぜ? 個人的に2020年代の日本のポピュラー音楽シーンを牽引していくと思ってるツートップの片割れ(もう一人は長谷川白紙)。チケット買わないてはないわな。

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このド陰キャみたいな見た目も最高。親近感的な意味で(実際は程遠い)。

 

ちなみに君島大空はこういう曲を書く。

 

「午後の反射光」というのは彼の作る曲に本当にぴったりの名前だと思う。EPを聴く限り、午後に差し込む木漏れ日や、逆光で眩む人の影、そういった眩しくて透明な何かを、優しく、時に鋭く表現しているように僕には思えて仕方ない。簡単に言うと、エモい。

とはいえこういうバンド形式になったのはわりと最近で、それまではこういう弾き語り形式が多かった。

 

あとはサポートとかで活動してた(してる)らしい。

 

で、行ったわけ。行ったらよ、そこそこ綺麗な身なりをした大学生の群れが居るんだわ。明らかにさとうもか(対バンの相手)を意識した女子大生とかね、あとそれに付随する男子大学生とかがいるんすわ。

DCPRGのライブには存在したクソ陰キャ大学生は何処に?! ここにいる全員死なねーかな??そう思う僕は例の如く全身黒のもっこもコーデで来てたから、そりゃもうヘリウムかってくらい浮くのね。

あーやらかしたなーうわーとは思ったものの、来てしまったものはどうしようもないので、強く生きることにした。

で、全身フルモッコなのでめちゃくちゃに暑く、上着を脱いだんだけど、そうすると露わになる、服が。

 

すると後ろに立っていた一般男性がおもむろに笑い出すんすわ。君の気持ちわかるよ、これダサいもんな。朝寝ぼけて適当に選んで着たから着合わせ最悪だもんな(言い訳をするな)。

と、その時は彼に一定の理解を示したのだが、後に彼にはfuckの念を抱くことになる。

 

さとうもか

この日は対バンライブだったので、まずはさとうもかのライブを見ることになる。対バン見るのは初めてだったのですっごく楽しみだ。

さとうもかは友達がファンなので存在は知っていたが、僕はビジュアルも相まって数曲聴いただけで放置していた。食指が進まないものは致し方ない。

 

ただ実際ライブで聴いてみると、まあ悪くはなかったな、と思う。なぜこう歯切れの悪い感想なのかというという話は後ほど。決してさとうもかがイマイチだったわけではない。むしろ、シンガーとして華がある。狭い舞台をあっちへこっちへ動きながら、けたたましく表情を変え歌い踊る彼女を見ているのは純粋に楽しかった。エンターテイナーだなあ。

 

新曲もなかなか良かったし、最後の「歌う女(?)」もミュージカル調で面白かった。ただ、他の曲はaikoかな?と思いながら聴いてた。すまんな。

 

途中MCで「君島君たちのリハ見てたんだけど、本当にすごくて、なんかもう負けてられないな、とかすら思わなくて笑うしかありませんでした」みたいなこと言ってて、おいおいお〜い頑張ってくれやと思ったが、後にこれが正しい事がわかる。

 

終演後物販で自分のグッズを手売りしてた。自らサインを書かせてほしいと申し出をしているのを見ると、この浮き沈みの激しい業界に食らいついていかんという姿勢を感じた。強く生きてほしい(何様?)。

 

君島大空 

遂に拝める時がきた。もう胸がはち切れんばかりに興奮していた。

 

で、その間に君島とかが準備してるんだけど、なんか音量調節に難があったみたいで結構待った記憶。暇なのかさっきのholly shit君がよく喋る。どうやら同じ大学のOBらしい。へえ。某軽音部だったんだ。ほお。

 

とか言ってると始まるんだよね。始まりました。

開幕から上手い。

なんだこのギターの掛け合いは?!まるでギターが会話しているかのようだ......。そしてドラムの石若駿が上手い。ドラムって喋るんだ、知らなかったなあ......。

 

という具合に、前1時間かけてさとうもかが構築した空気を開始数秒で全て破壊し尽くし、そこに君島大空を植え付けていく。さとうもかがMCで言ってたことがよくわかる。こりゃ笑うしかねえな。さとうもかがどんなに頑張っても、まあ悪くなかった程度の感想に収めてしまう力がそこにはあった。

 

なんてったって轟音、轟音、轟音の嵐! お前その顔とそのMCでそんな音出るの?(失礼) 製品で聴く君島大空の音楽とは180度異なる、ノイズの限りを尽くしたハードロックである。

そして大量のエフェクターを通してスピーカーから出る変態的なギターの音。えっギターからそんな音出るんだ、みたいな瞬間が30回はあった。

こんな超極太のハードロック、カッコいいに決まってるよ〜ズルイよ〜。想像の100倍は良かったなあ。

 

そして途中の弾き語りタイム、これはこれでとてもよかった。これまでの人生、弾き語りをちゃんと聴き切る自信がなかったが、マジクソ上手いと引き込まれるんすね......。君島の声とガットギターの親和性が高すぎるのもあるし、えげつないパッセージをさらっと弾いてしまう。

 

アンコールで新曲も披露され、これもなかなかいい感じだったのでリリースが楽しみ。ライブだとストレートなリフだったけど、本来はどういう音をしてるのか大変気になるところ。

 

で、だ。くだんのholly-shit-motherfucker がtoo noisyだったという話をしよう。僕が言うのもなんだが、僕の服装くらい浮いてたぞ。曲中頻繁に「イエーイ」って言うんよ。

まあ「イエーイ」と言うこと自体は良いとするだろう。なんで地声で言うんだ。君島の歌もギターもドラムもベースも全てを虚にするぞ、その声。

まあいいよ、声を出すことは自由だもんな。俺が間違ってたよ、全て赦そう。だが遠視のコントラルトのサビを歌ったことだけは許さん。だーれがテメーの声を聴きに金払ってくるんじゃ身内しか来ない自主企画でやれ!案の定ヤジも無視されやがってザマーミロ腐れバンドマンが!

 

と思いましたが、それ以外は概ね良かったです。つか演者側には落ち度なんて一つもないからな。でもこういう客がいるライブあんま行きたくないな。僕は心が狭いので。


あとなんか崎山蒼志が来てたみたいだけど、彼は一般男性と区別がつかないので全く気づかなかった。ライブ観覧するときオーラがないのはお互い気楽でいいなと思う。

 

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終演後にはEP「午後の反射光」を購入。CDで聴くとサブスクとはまた違うので良いね。個人的にサブスクはイヤホンで聴く機会が多いので、本来製作者が意図した音響になってない可能性が高い。だからこうしてステレオスピーカーで聴くことで、多少なりとも意図した音響に近づけるんじゃないかなーと思った。まあ結局ライブが一番いいんだけどね。おわり。