死と超越

所見・偏見・エトセトラ

京都大学11月祭に行った

11月22日

僕は何故か京都大学にいた。

f:id:helix_spiral:20191124181127j:image

しかも夜11時過ぎに。

 

無計画の遠出 + 深夜 = 寝床を探さないといけない

 

ということで寝床を探すことになった我々は、吉田寮に向かった。

 

吉田寮

f:id:helix_spiral:20191124181816j:image

吉田寮とは現存する日本最古の、由緒正しい大学寮だ。最近存続が危ぶまれているので知っている人は知っているだろう。

吉田寮のそれは、大学寮というよりは村だった。新棟と旧棟のほかに食堂が併設されていて、食堂では吉田寮演劇部(?)が公演の練習をしていた(残念ながら、見ることはできなかった)。つか寮に演劇部があるんだ。

なぜ寝床を探しているのに学生寮なんかに行ったのかというと、吉田寮はカンパにより宿泊することが可能だからだ。カンパでこの貴重な文化財に泊まれるなら、泊まらない手はない。しかしこの日は大学祭まっただ中、おんなじ事を考えてる人は結構いるわけで、どの部屋も空いていなかった。あまりに人が多いので、一瞬女子部屋(ドアに藁人形が打ち付けられている)に通されかけた。

 

ということで寝床を失った我々は、moon walk*1というバーで一晩飲み明かすことにした。

 

bar moon walk

moon walkは200円でカクテルが一杯飲めて、2000円でカクテルがいっぱい飲める素敵なバーである。しかし、素敵なのはそれだけではない。森見登美彦夜は短し歩けよ乙女」をコンセプトにした素晴らしいバーなのだ。

f:id:helix_spiral:20191124184411j:image

森見作品は京大をモデルにした作品が多く、「夜は短し」もその例外ではない。京大のすぐそばで偽電気ブラン(劇中に出てくる)を飲む、これ以上の幸福は探してもそうそうないだろう。もしあるなら僕に早急に連絡して欲しい。その幸福は僭越ながら僕が頂こう。

 

11月23日

さて、そうこうしているうちに朝になり、早朝の京大を散策することにした。

朝も早いと流石に人は少ない。だが多いものが一つあった。カラスである。名大もカラス帝国だが、京大も同じくらいカラス帝国だった。大学がカラス帝国化するのは避けられないのだろうか? ボンヤリそう思っていると、カラスが模擬店を襲撃しているのを発見した。

f:id:helix_spiral:20191124184342j:image

しかも結構しっちゃかめっちゃかである。さらに驚くべきことは、少ないながら存在する京大生が総スルーしていたことだった。え、何?日常茶飯事すぎて気にするまでもない的なサムシング? でもなんか袋ちゃぶけてるんですけど?おーいおーい、 と思ったが、クソ眠かったので通り過ぎた。俺は日本人だから我関せずが上手いんだ。そんなことを思っていると人が増え始めた。遂に11月祭(3日目)が始まるのだ。

 

11月祭

暇なのでグルグル回っていると、模擬店の人から声をかけられる。結構押しが強いが、名大生よりはマシであった。京都人の死ねどす攻撃のたまものかもしれない。その押しが強い模擬店集団の中に大豆研究会を発見した。

 

大豆研究会

自称・大豆研究会の学生は全員絵に描いたような金髪だった。

大豆リスペクトだろうか、いやそうではない。実は大豆研究会はダミーで実態は競技ダンスなのだそうだ。競技ダンス部なら金髪でも納得である(偏見)。

なぜ大豆をチョイスしたのかまったく持って謎であるが、この模擬店は最高に面白かった。

 

なんとおからの玉を、

f:id:helix_spiral:20191124193000j:image

部員にゼロ距離で投げつける!

顔面に被弾した部員。可哀想に、彼の命はもうないだろう。

 

ちなみに数百円プラスすると複数人でおから30秒投げ放題らしいので是非。的役に回るのも可とのこと。

 

狩猟会

腹が減ったので飯を食べることにした。ジビエ料理に興味があったので、狩猟会の鹿ケバブを食った。うまうまだった。あっさりした筋肉質の鹿肉とチリソースとの相性が大変に抜群であった。願わくばもっかい食いたい。

 

これは同時に買った薬莢

f:id:helix_spiral:20191124212301j:image

他にもカイコを食用として売っていたが、さすがに買わなかった。後にカイコ売り歩いているのを目撃した。そりゃ売れんわな。

 

京大ジャズ研

僕はジャズ研にも入っているので、NF行くなら絶対に見ようと思っていた。で、見た結果かなり上手かった。やはり同年代がちゃんと音楽やってると頑張らなきゃな〜という気になる。

あとキーボードがnord(とてもよいキーボード。ねだんがたかい)だったので驚いた。うちのジャズ研もnord導入しよう。

ちなみに京大ジャズ研はZINEも発行している。

f:id:helix_spiral:20191124212310j:image

読んでみると部員のジャズ好きが伝わってくる。いやほんとに僕もがんばらなきゃな。

 

クジャク同好会

ジャズ研のブースの横では、クジャク同好会が物販をしていた。無論クジャクもいた。

f:id:helix_spiral:20191124202110j:image

クジャクの羽(大¥1000/小¥500)が売っていたので、売り子の男性会員から小さい羽を購入した。

f:id:helix_spiral:20191124202145j:image

後に同行者、ーー仮にKとでもしておく、が小さい羽を買おうとしたところ、女性の売り子が内緒で大きい羽に交換してくれた上に、羽を入れる袋まで用意してくれたという。これはいったいどういうことだろうか。許されざる事態である。男性会員を見つけ次第磔、火炙りの刑に処す。俺はフェミニストに転向して世の男性を全て管理教育下に置くことを決意した。Kはクジャクの餌にした。

 

エトセトラ

道中見たハンドフルートがレベル高くてつい聴き入ってしまった。

f:id:helix_spiral:20191124202932j:image

こういう路上ライブが見られるのは本当に羨ましい。名大祭で路上演奏してるサークルは本当に稀なので。

 

f:id:helix_spiral:20191124203140j:image

これは立て看制作支援サークル「シン・ゴリラ」のブース。立て看板のクオリティがずば抜けて高い上、看板が異常にデカい。制作のノウハウを教えてほしいくらいだった。以下にいくつか作品を紹介する。

f:id:helix_spiral:20191124203339j:image

これは学祭期間中にライブペイントしたらしい。

 

f:id:helix_spiral:20191124203421j:image

有名な2作品。上手すぎてぐうの音が出ない。

 

f:id:helix_spiral:20191124203511j:image

このどサイケなのは画家の作品らしい。たしかに他のものとは毛色が違った。

 

f:id:helix_spiral:20191124205527j:image

これは緊縛同好会のブース。ただのエロでなく、ちゃんとアート方面の緊縛で非常に好感が持てた。

緊縛同好会は名大にもあった筈だが、最近活動を見ない。どうしてるんだろう。

 

音割れポッター同好会

音割れポッターというネットミームが存在する。

完全に出落ちなのだが、これを二年連続展示しているという。音割れポッターを展示って何だよ。

そしてそれは実際に存在した。

f:id:helix_spiral:20191124214506j:plain

 デカい。

道路の一角にこれが鎮座している光景は、思い返すだけでも爆笑してしまう。

音量と音割れ度は自在に調節が可能だ。

これは去年の様子。今年は音量も調節できるようパワーアップしていた。なぜ音割れポッターにそこまでこだわれるのか、それは誰にもわからない。来年があるならば、LFOかパンディレイを追加して欲しい。

 

ボヘミアン

京大の中でも最も突き抜けてしまった人達、それがアウトドアサークル「ボヘミアン」の面々だ。アウトドアサークルと名乗ってはいるが、実態は謎に包まれている。そんなボヘミアンが演劇をやるというので見に行ってきた。

 

f:id:helix_spiral:20191124213059j:plain

開幕、普通に劇が始まる。なんだ、普通の劇か、と思っていると壺が現れ自体は急変する。アスペルガー症候群の男、吃音症の男などが次々と現れ、舞台はボヘミアン流のカオスの渦に巻き込まれる。最も笑えたシーンでは、パンツ一丁のうさ耳男(バナナをパンツに刺している)が、オナホール(うさ耳男曰く「私の娘」)をペチペチとリズミカルに叩き、ビートルズの「Hey Jude」を歌いながら登場した。

これだけでも爆笑なのだが、その後オナホールからソーセージをむにゅっと出し主人公に食べさせたりするもんだからもう大変。たしか会場にはいたいけな子供がいた気がするのだが、大丈夫なのだろうか。

こんなことを言っているとただの卑猥なナンセンス劇かと思うかもしれないが、必ずしもそれだけではない。ただ卑猥なだけではなくシリアスなシーンもあったし、卑猥さもメタファーでちゃんと意味があった。まあ意味のない卑猥さも多かったけどな!

ラストシーンもどこか諦めにも似た、それでありながらハッピーな幕引きで、終わる頃にはこの劇を見に来て良かったと心から思っていた。みんなも見ようぜボヘ劇。

 

帰郷

そうしているうちに名古屋へ帰ることになった。ここまで文化レベルの差を見せつけられると、どうしたらいいかわからなくなってしまうな、など思いながら車窓を眺め、レイハラカミ(京都出身)をBGMに京都を去った。

名古屋に着くと、ギラギラと光るビルの群れが僕を見下ろしていた。何もない車窓を眺め、明日からの日々を考え絶望しているうちに家についた。そのまま何もせずに寝てしまった。僕が寝ているうちに、名古屋は京都との圧倒的な文化レベルの差に耐えきれず、時空が裂けて亜空間に飛ばされるんだ......そしてみんな死......意識が......

 


The Beatles - Hey Jude

 

So let it out and let it in, hey Jude, begin
You’re waiting for someone to perform with
And don’t you know that it’s just you, hey Jude, you’ll do
The movement you need is on your shoulder.......

*1:らが名古屋栄にもあるので気になる人は是非